コンテナハウスの間取り図

コンテナハウスの間取り図には様々なパターンがあります。シンプルな形状が特徴であるがゆえに、間取りのパターンも限られると考えるかもしれませんが、コンテナハウスも木造住宅やRC住宅など一般の注文住宅と同じように、ニーズに応じた多種多様な間取りが実現できるのです。

今回はコンテナハウスの間取り図について、パターン事例や注意点を紹介していきますので、参考にしてみてください。

 

コンテナハウスの間取り図は多種多様

 

冒頭で述べたとおり、コンテナハウスの間取り図のパターンは多岐にわたっています。コンテナを1個だけ使用したシンプルな間取りから、コンテナを横に複数並べた間取り、縦に複数並べた間取り、斜め置きした間取り‥。

コンテナハウスは、貨物輸送用の鋼鉄の容器を建築用にカスタムしたもので、それ自体は直方体の箱の形をしたシンプルなものですが、使用するコンテナの個数を増やしたり、組み合わせを工夫することで、幾つものパターンの間取り図ができあがるのです。

コンテナハウス=トレーラーハウスのイメージも強いため、間取り図の多様性について想像しづらいかもしれません。しかし、建築用のコンテナハウスの本質は「重量鉄骨造の家」であり、他の木造やRC造の注文住宅の場合と同様に、施主のニーズやライフスタイルに合った思い思いの間取り図を作成することが可能です。

コンテナハウスの「コンテナ」のサイズとは?

コンテナハウスの間取り図について考える際、‶コンテナのサイズ"に関する知識は必要不可欠です。というのも、コンテナハウスは使用するコンテナの数と組み合わせによって実現しますが、1つ1つのコンテナのサイズを知らなければ、全体の間取りを構想することはできません。そのため、間取り図を考える前に、まずコンテナのサイズについて確認しておく必要があります。

 

コンテナのサイズは2種類

コンテナハウスに用いるコンテナの基本サイズは、「20フィート」と「40フィート」の2種類です。それぞれの外寸・内寸、特徴について紹介します。

20フィート・コンテナ

  

20フィートコンテナのサイズは、【外寸】長さ6m程度、幅2.4m程度、高さ2.6m程度 【内寸】長さ5.8m、幅2.3m程度、高さ2.5m程度です。面積は14㎡程度、坪数は約4.3坪(約7.8畳)となりますから、20フィートコンテナ1個を使用して家を建てる場合は、一人暮らしができる居住スペースを想定しています。他の住宅と類比すれば、一般的なワンルームアパートと同等ですが、コンテナハウスの場合、天井高は他の住宅と比べてやや低いです。

40フィート・コンテナ

 

40フィートコンテナのサイズは、【外寸】長さ12m程度、幅2.4m程度、高さ2.6m程度 【内寸】長さ12m程度、幅2.3m程度、高さ2.4m程度です。40フィートコンテナは幅と高さは20フィートと同等ですが、縦の長さが外寸・内寸ともに12m程度と20フィートの2倍になります。

いずれも海上輸送コンテナを活用していますが、コンテナにはノーマルとコンテナとハイキューブコンテナの2種類があり、このうちハイキューブコンテナを選択すれば「30㎝」ほど高さアップが可能です。

コンテナハウスの間取り図パターン5例

コンテナハウスの間取り図パターンから、典型的な5つの事例をピックアップして紹介します。

 

コンテナ1個でつくる間取り図

1個のコンテナからなるコンテナハウスは、コンテナハウスとしては最小単位の家づくりです。価格が抑えられる分、スペースも狭くなりますが、それでも様々な用途に使用できます。20フィートコンテナ1個なら単身住宅に最適ですし、40フィートコンテナなら1個でも16畳の広さを確保できますから、夫婦2人でもゆったり過ごせます。

もちろん、住居にこだわる必要はありません。オフィス、店舗、カフェ、書斎専用、倉庫、バイクガレージなど様々な用途に使用できるでしょう。20フィートは面積が狭いため居住用の間取りパターンは限られますが、それでも工夫次第で選択肢を増やすことができます。

複数のコンテナを横に並べた間取り図

コンテナを2個、3個と複数横に並べた間取りは、ワイドオープンの開放的な住空間を得るのに最適です。コンテナを横一直線に並べるスタイルもいいですが、少し工夫をきかせて、L字型に横に並べ、大開口窓とウッドデッキを設ければ、さらに開放的で快適な間取りが実現します。

住居はもちろん、カフェにもピッタリです。一般的な住宅では大開口を配置する場合、家の構造によっては耐久性を落としてしまう可能性もありますが、重量鉄骨造による耐久性の高いコンテナハウスなら安心できます。

コンテナを縦に積み重ねた間取り図(2階建・3階建)

コンテナを縦方向に並べた間取り図は、すなわち複数階建のコンテナハウスです。コンテナは横に並べるのはもちろん、縦方向にも積み重ねていくことができます。特に土地が狭い場合は、コンテナを縦に2つ、3つと並べることで2階建・3階建住宅が可能となり、さまざまな間取りが実現できます。

耐震性など強度の問題も安心。建築用のコンテナハウスは建築基準法をクリアしているため、強度を確保しながら住空間を広げていくことができます。

複数のコンテナを離して設置した間取り図

少ない数のコンテナで広い空間を作り出すことができ、それでいて、実際のコンテナの数以上に大きな家に見せることができるでしょう。

コンテナを斜めに配置したクリエイティブな間取り図

横、縦ときたら、次は斜め方向です。コンテナハウスは斜め置きに設置することもできます。それも傾斜地であるため仕方なくというのではなく、フラットな土地の上でも斜め置きが可能なのです。コンテナを斜め置きに配置すれば、外観にインパクトを与えデザイン性が高まるほか、天井を高くした開放的な間取りも可能です。斜めに配置したコンテナにガラス面を増やせば、開放性レベルはさらに向上するでしょう。2個のコンテナを並べて、一方はフラットに、他方は斜め置きに配置するレイアウトもOKです。

コンテナハウスの間取り図で後悔しない対策

 

コンテナハウスの間取り図は、部屋の広さと配置を大まかに表した平面図です。大体のイメージはできますが、実際の部屋と図面がピッタリ一致するとは限りません。よって、中古のコンテナハウスを購入する場合は以下のような点に注意してください。

  • 収納性
  • 間仕切り壁の有無
  • 水回りの配置
  • 生活導線
  • 陽当り

いずれも間取り図だけでは見えてこない重要なポイントばかりです。先ほども述べたとおり、間取り図は大体の部屋の広さと配置を示すものですが、実際の部屋の状況と異なる場合もあるため、上記したポイントのように図面に表れにくい部分は、実際の建物を下見して細部まで確認してみる必要があります。百聞は一見に如(し)かずです。

まとめ

全体に規格化された印象が強いコンテナハウスですが、実際には多彩な間取り図をつくることが可能です。コンテナ1個だけでつくる間取り、複数のコンテナを横に、縦に、斜め方向に配置する間取り、複数のコンテナを離して梁で繋ぐ間取りなど、バリエーションが豊富にあります。

ただ、コンテナハウスで納得のいく間取りをつくるには、基礎知識も必要です。特に20フィート・40フィート等の規格とそれぞれの外寸・内寸といった1つ1つのコンテナモジュールのサイズについては、しっかり頭に入れておきましょう。

オーナー必見!
コンテナハウスのハウツーコラム

コンテナハウスのバナー